確か高校生の時買ったCDです。指揮者、レーベルは違いますけど。青臭い若僧が何でこんなCD買ったかといえば、そりゃあキューブリックの「2001年宇宙の旅」を見ていたく感動したからです。何かよく分からないけどスゲー。文系高校生バカウケ。
で、なぜこのブログタイトルになるかというと、昔買ったこのCDの作りが酷かったんですよ。コンプレックスを山ほど抱えた世間知らずの高校生すら(私のこと)こりゃありえないでしょ、と思ったくらい。どういうことかといえば、本当に信じられないほど音がブチブチ切れたんです。聴くに耐えないほど。傷が入ってたなら交換してもらえばいいのに。いえ。傷じゃありません。意図的にブチブチ切ってあったんです。それってどういうこと?
交響曲って、だいたい何楽章かに分かれてますよね。3楽章が終わって拍手したら周りはシンとしていて、恥ずかしくて独り青ざめてる、みたいな。4楽章が終わると会場が割れんばかりの拍手、みたいな。で次回はもうこんなことはイヤだと前もって必死で予習したりして、準備万端でコンサートに行くんだけど、いま何楽章かが気になってコンサートどころじゃない、みたいな。拍手するタイミングだけが気になってしょうがない、みたいな。何しに行ったんだお前、みたいな。
ツァラトゥストラも例外ではなく、九つの楽章に分かれています。でも、昔の交響曲と違って、次の楽章との間に休みがない。つまり楽章の区切りなんてのは楽譜にしかなくて、実際の音楽の流れには区切りがないわけです。
もうお分かりですね。そう。私が昔買ったCDには、全くご苦労さんというか、本来なら楽章の区切りなんざ聴き取れないはずの箇所に、ご丁寧にトラックの区切りを付けていたわけです。
もう、ヒドいもんでしたよ。まともに聴けないんですから。気が散ってしょうがない。リズムがズレるし、小さなプチというノイズが入るし。怒りというか悲しみというか呆れるというか、とにかくがっかりしました。
何が悲惨だといって、この曲にトラック情報を埋め込むのって結構大変だったと思うんですよ。頑張って作業されたと思いますね。しかし、実際にはその作業はCDを台無しにしただけだったわけです。だから、作業された方は、一所懸命、熟練の手腕で、極めて有能に、一つのCDを台無しにしていたわけです。いやはや何とも悲しい話ではありませんか。
物悲しいのは、程度の差こそあれ、似たような理不尽な意思決定がサラリーマン社会で行われているであろうことが、想像に難くないからだからでしょうか。
新たに借りたCDはトラック情報が埋め込まれておらず、ブチブチと切れることもなく楽しく聴き通すことが出来ました。しかし、何で誰も発売を止めなかったんだろうな。あのブチブチCD。多分sunk costに囚われたというヤツだろうな。やれやれ。
今はギャップレス再生に対応してるからだけ? との考えが頭をよぎりました。
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投稿がちょっと舌足らずだったようなので追記しておきました。
返信削除今回借りたCDがぷちぷち切れなかったのは、トラック情報が埋め込まれていなかったから、つまり30分で一曲という長いトラックとしてプレスされていたからでした。(プレスでいいのかな?)
私がプチプチCDを買ったのはほぼ20年前。その頃にもギャップレス再生があったんでしょうか・・・。