2009年11月5日木曜日

ベーシックインカムはアリだ

ベーシックインカムというアイデアをNIKKEIで読みましたが、これはアリだと思いましたね。矜持だけじゃ飯は食えないですからね。心が貧困と貧困への恐怖に蝕まれることもなくなるんじゃないか。何よりこんな選択肢もある、ということが希望を広げてくれます。他にもできることがいろいろあるんじゃないか。

http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/bpnet.cfm?i=2009102306481dl&p=1

ベーシックインカムとは何か。詳細はリンク先を見ていただければいいのですが、オレ、忙しいからリンク辿って読む暇がない。三行で済ませてくれないか、という人のために簡単にまとめると、働かなくても生活できる最低限レベルの金を日本国民全員に配ってしまえ、というアイデアです。その代わり、医療補助とか、行政サービス、年金も生活保護も無しか削減。

非常に面白いアイデアです。金という概念をガラリと変えてしまうでしょう。働かなくても、生きているだけで金がもらえる。仕事をしなくても、とりあえず生きては行ける。そうなった時、人はどうなるのか。

仕事なんぞバカバカしい。と細々と暮らしながら金のかからない趣味に走るのか。それとも、やはり私は社会に貢献したい、面白いことをやってみたい、と仕事に励むのか。或いは別に税金で取られてもいいから、めちゃくちゃ稼いでみたい。どう振舞うか人によって全然異なってくると思いますが、確かに面白いことになるような気がする。

仮に18歳以上に一人10万支給されたとしましょう。どうなるでしょうか。

いいねえ。これだけ支給されたらさっさと引退するかな。温暖な気候の田舎に土地でも買ってさ。妻と隠居生活。でもまだ早いな。もう少し働いてお金を貯めておくか。

あるいは意に染まぬ仕事をしている人なんかは、即座に会社に辞表を叩きつけるかもしれませんね。給料なくても暮して行けるとすればこんな仕事やってらんねえや。

何のために仕事をするか。かつてドラッカーは言いました。知的労働者(ナレッジワーカー)にとっては仕事そのものが報酬だ、と。キレイごとっぽいですが、まあ正しい気はしますね。実感として。とすれば、やりがいのある仕事が人気になるでしょう。

会社側はどうなるか。地味な仕事には人が来なくなるでしょう。高給で釣ろうにも金にあくせくしなくていいわけだから(おそらく税金も高くなる)、あまり効果はない。人手不足で淘汰される企業も出てくるでしょう。そうなると。。。この辺からは風が吹けば桶屋が儲かるの世界ですから、いかようにでもストーリーは作れるのでこの辺にしておきましょう。

こんなことを言うと反感を買うか、キレイゴトを言うとバカにされるか、あるいは頭がオカシいんじゃないかとおもわれるかもしれませんが、はっきり言って、この世の中金だ金だとうるさいんですよ。たかが金じゃないか。金のために自殺したり体売ったり寿命縮めたりね、もういい加減にしろ、と。そんなに大事なものなら皆に配ってしまえ、と。

金は大事だ。これは確かにホンネです。でも、金ごときに振り回されたくない。これもまたホンネじゃありませんか?金のために白を黒だと言ったり、意に染まぬ仕事をしたいですか。金が全てだ。本当に心からそう思うなら、プライドも友人も家族も捨ててどんどん汚い仕事をすればいい。でも、それができる?金も大事だ。でももっと(あるいは同じくらい)大事なものもあるはずでしょう。

もしベーシックインカムが実現したら、胸を張って「金より大事なものがある」と言えそうな気がしませんか?そう言える人に誇りと尊厳を感じませんか?

あんたが言ってるのはジョン・レノンのイマジンの世界だ。絵空事だ。そうかもしれません。でも、ジョンと同じナイーブさと希望を、私は失いたくないと思います。

・・・・。でも意地悪な気持ちも少しありますね。ベーシックインカムが実現したとしてどうなるか。怠惰と無気力が蔓延するか。あるいは逆に人としての誇りが勝るか。金の格差ではなく精神の格差が広がったりして。それがどのようなものかはわかりませんけど。

人間の本性にはあまり期待してませんが、まあ、とにかく、ぜひ実現して欲しいと思います。ベーシックインカムのある社会。今よりはマシな風景が見られる気がします。

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