難解な映画です。途中までは、なんだなんだなんなんだ?という感じ。タイトルからして「話が通じない」ことがキーになっているわけですけど、理詰めで言えばちょっと違う。モロッコの片田舎に置き去りにされたブラピにはバベル的状況ですけど、聾唖の少女にとっては言葉が通じないわけじゃない。どうやら論理的に理解するタイプの映画ではありません。
三つのストーリーが時間的に混乱しつつ交錯するという作りからしてムツかしい。悪夢的なメタファーが飛び交う現代の神話といったところでしょうか。
印象的なシーンが多いのですが、個人的にツボにはまったのが、モロッコから子供の待つ家に電話したブラピが、子供の他愛のないおしゃべりを聞きながら慟哭するあたり。すっげー共感しました。
そういえば映画全体に子供(菊池凛子含む)への温かい視線が感じられましたね。登場人物はみな子供を愛している。恐らくは映画監督も。その辺も大いに救いでした。
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