2010年2月2日火曜日

「かいじゅうたちのいるところ」見た

日曜日のこと。本当はハイキングに行く予定だったのですが、体調がいまいち優れなかったのでやむをえず中止としました。収まりがつかないのが子供たち。楽しみにしていたハイキング。泣くやら寂しそうな顔をするやらもう大変。しょうがないので金が多少かかってもいいから、と映画に行くことに。

昼食時、狭いベランダで山用ストーブとクッカーを並べ、インスタントラーメンを作ってやってなんとかご機嫌を取った後、見に行ったのがこの映画。何度か読み聞かせをしていたので原作は知っています。あのシンプルな絵本をどうやって90分の映画にもって行くのか。はたしてアニメ以外に免疫のない長女はこの映画に耐えられるか。次女は着ぐるみに怯えてしまうのではないか。

結果。子供たち問題なし。長女は感動したとのこと。次女は怖くて少し涙をこぼしていましたが最後まで鑑賞。私はといえば、なるほどねえと感心。そうきたか。見事。あのストーリーの背景にある子供の熱狂と不安、そして気持ちの揺れを見事に描いています。家族の描きかたも子供の描写も見事でした。子供がリアルでしたね。ああ。そうだ。子供ってこうなんだよなあ。

子供はいつだってかまって欲しいし、親に甘えたい。家族が大好きだから。でも親は仕事だとか人間関係にかまけて十分にかまってはくれない。姉ももう外を向いていて、小さい弟とは遊んでくれない。どうしてだろう。こんなに大事な家族なのに。どうしてみなお互いにもっと仲よく楽しく暮らさないんだろう。親にとってはかわいい子供。愛情だって注いでいるつもりです。でも子供からみればいつだって足りない。だから反抗する。どうしてお母さんはわかってくれないんだ。どうしてそんなどうでもいいことにとらわれてるんだ。もっと家族を、僕を大事にしなきゃダメなのに。でもお母さんにだって事情があります。仕事をしなければ食べていけないし、大事な人間関係もある。社会と関わって行かなければ暮らしていけない。姉はもう子供っぽい弟に構っている時間はない。友だちも大勢いるし、ボーイフレンドもできた。でも子供にはそれが分からない。分からないからひどいことを言う。狂ったように暴れる。一人で無茶苦茶に遊ぶ。

家族を愛してやまない子供と親、そして家族から羽ばたこうとする姉との葛藤が、あのかいじゅうたちのファンタジーだったのです。どうしてこうなったんだ。なんで皆仲よく暮らさないんだ。かいじゅうの叫びは子供の叫びです。かいじゅうたちの葛藤は家族の葛藤です。そしてかいじゅうたちのファンタジーを通して子供はいやされ、大人になっていく。原作の雰囲気を残しながら、深い洞察もそこに含まれています。非常にいい映画でした。お見事。

とベタ褒めで終わりたかったのですが一つ問題が。

この映画、とにかく画面が揺れるのですよ。全編を通して手で撮影している様子。急きょ映画に行った関係で良い席が取れず、私は子供と離れて最前列で見たのですが、はっきり言って眼が疲れた。だってほぼ全視界が始終グラグラグラグラグラグラグラグラしてますからね。もうたまらん。少し気持ち悪くなりました。幸い子供たちは微妙に離れた席だったためか無事だったもよう。私から二つ離れた席の小学生くらいの女の子も顔を手で覆ったりひんぱんに姿勢を変えたりしていたから、おそらく年のせいではあるまい。この映画を観るときはなるべく良い席をおすすめします。

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