2010年4月5日月曜日

西田幾多郎「善の研究」岩波文庫

★★★★★☆:傑作と思います

時折読み返してます。

知とは、自己の理想に従って現実を改変し、現実に従って自己の理想を改変するものである。また、真理とは我々の客観的事実を統一したものである。もっとも有力にして統括的なる表象の体系が客観的真理である。そして、真理を知るとは自己の経験を統一することに他ならない。しかも、真理を知った自己はそれまでの自己よりも大きい。ゆえに知は力である。

引用が長くなりました。そう。知ることはすなわち力なんですよね。単に情報を得ている、知っている、それだけでも強い(人に先んじることができる)わけですが、正しく現実を見据えるのも、それだけでまた力なのです。

後は、経験なくして自己はないとか、西洋哲学ではなかなか言えないことをさらっと書いていて溜飲が下がる。西洋思想は相対化される必要があります。

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