2010年4月19日月曜日

ジョン・トーランド著 毎日新聞社訳「大日本帝国興亡史 全5巻」ハヤカワ文庫

★★★★★★:客観的中立的に書かれた第二次世界大戦史。必読。こんな優れた本がなぜ絶版?

3巻まで読了。愚かな日本人と愚かなアメリカ人の物語。日本もアメリカも望んでいなかった戦争がなぜ始まったか。

イギリス、フランスの植民地政策、白人優位主義、そして黄禍論が日本を追い込んだ。

戦えば負けることは日本には分かっていた。あくまで交渉で解決しようとしたが、日本の稚拙な外交と、ハル国務長官の無闇な猜疑心と不信感、そして日本語から英語への、英語から日本語への誤った翻訳が戦争の原因となる。筆者は「日本とアメリカという二人の子供が始めた戦争」と評する。

回避できた筈の戦争が、日本にどれほど悲惨な結果をもたらしたか。

われわれは敗戦国としての歴史を叩き込まれてきた。そのためか、日本が戦争を始めた理由はちゃんと教えられていないように思う。でも戦争の背景はしっかり教えるべき。過去を正当化するするためではなく、二度と戦争を起こさないために。

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