地下鉄で帰宅していたときのこと。
隣に座ったおじいさんが「若いもんはしょーがねーなー」といった態度で、マインスイーパー絶賛プレイ中のわたしにこう指摘したのです。
「ここ、7人掛けの座席でしょうが」
「え?・・・詰めるってこと?」と思わずタメ口のわたし。
うむ。とうなづくおじいさん。
えーと。これ7人掛けかな。わたしには6人掛けに見えるんだけど。と思いつつ左に詰めるわたし。
しかし、というか、やはりというか。わたしが席をずらして空いたのはせいぜい0.5人分の面積だったのでした。
そりゃそうだよ。前の席も6人しか座ってねーじゃん。
ところがそのおじいさん。わたしが移動した次の瞬間、つり革につかまっていた壮年の凛としたオバサンに「さあ。空きましたよ。どうぞ」と声を掛けてしまったのです。
いや、空いてねーって。と思ってそのオバサンの顔をチラリと見上げてみると、あからさまに迷惑そうな顔をなさってまして。しかも不愉快そうな、キツい感じ。そして、黙殺。うわ。痛いなー。
でもまあ、こんな狭いところに座れと言われても困るわな。
さて。おじいさんはどうかな。横目でちらりと彼の表情を確認すると、そこには傷つきながら、かすかな恥辱を耐えながらも、むしろ達観というか諦観のありさまが観察されたのでした。
おう。さすがおじいさん。亀の甲より年の功。いい表情をなさっておられる。
誤解された上に「最近の若いもんは」的態度には納得行かなかったわたしですが、その表情を見て「まあ、なんか許す」などと思ってしまったのでした。
以上です。
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