2011年8月25日木曜日

通勤電車にて

地下鉄で帰宅していたときのこと。

隣に座ったおじいさんが「若いもんはしょーがねーなー」といった態度で、マインスイーパー絶賛プレイ中のわたしにこう指摘したのです。

「ここ、7人掛けの座席でしょうが」

「え?・・・詰めるってこと?」と思わずタメ口のわたし。

うむ。とうなづくおじいさん。

えーと。これ7人掛けかな。わたしには6人掛けに見えるんだけど。と思いつつ左に詰めるわたし。

しかし、というか、やはりというか。わたしが席をずらして空いたのはせいぜい0.5人分の面積だったのでした。

そりゃそうだよ。前の席も6人しか座ってねーじゃん。

ところがそのおじいさん。わたしが移動した次の瞬間、つり革につかまっていた壮年の凛としたオバサンに「さあ。空きましたよ。どうぞ」と声を掛けてしまったのです。

いや、空いてねーって。と思ってそのオバサンの顔をチラリと見上げてみると、あからさまに迷惑そうな顔をなさってまして。しかも不愉快そうな、キツい感じ。そして、黙殺。うわ。痛いなー。

でもまあ、こんな狭いところに座れと言われても困るわな。

さて。おじいさんはどうかな。横目でちらりと彼の表情を確認すると、そこには傷つきながら、かすかな恥辱を耐えながらも、むしろ達観というか諦観のありさまが観察されたのでした。

おう。さすがおじいさん。亀の甲より年の功。いい表情をなさっておられる。

誤解された上に「最近の若いもんは」的態度には納得行かなかったわたしですが、その表情を見て「まあ、なんか許す」などと思ってしまったのでした。

以上です。

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