繰延税金資産の次は繰延税金負債。
繰延税金資産とは「税金の先払い」という意義を持ち、繰延税金負債とは「税金の後払い」という意義を持っている。
「あ、その損金確定してないなら認められないね。その分税金払ってね(損金確定したら認めるから)」
という世知辛い税務署が、税金の後払いを認めることがあるのかというと、ある。
例えば保険金。
建物が焼失して保険金が支払われた。
保険金だろうがなんだろうが、税務上は収益。ということで課税対象となる。
でも、保険金にがっつり税金掛けたら、復帰に回せないじゃないか。ヒドイじゃないか。
ということで、こんな場合に税金の先送りが許されることになる。
税金の先送り方法としては、大きく
「一時的に損失を計上して、その損失額を後の事業年度に少しずつ戻し入れる方法」と
「積立金を確保しておいて、それを内部的に戻し入れる方法」がある。
前者は例えば以下のような処理。
国庫補助金100と自腹100で建物を買った → 建物 200/現金 200
国の補助金に税金がっつり掛けるのも変な話だから、その分先送りを許す。今期に損失を計上。 → 圧縮損失 100/ 建物 100
こうすることで当期に損失が計上され、その分税額が減額。
建物の簿価が下がったことで、当期以降の減価償却額が減少、その分税額が増額。
税金の取得スパンを広げることで、初年度の負担軽減を図る。
そして、この処理では繰延税金負債は発生しない。上記の仕訳で税金の操作が完了している。
(続く)
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