2012年4月10日火曜日

「なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか」



久しぶりの読書投稿。

「この本の主張って三行で要約できんじゃね?」的なペラペラ新書が蔓延する中で「なぜトヨタは(ry」は、まあまあマシな部類の新書でしたね。

日本の製造業の強さは、ここにあるのかと感心。

しかるに、システム開発業の非効率さはどういうことかと。具体的なモノづくりには日本人は強みを発揮するのだけど、システムの開発となると、むしろロジックで割り切る力とプロデュース力のある西洋人の方が強いんじゃねーの?とか思ってしまいますな。

ことシステム開発業においては、日本人の職人根性やこだわりが、あまりプラスに働いていない気がします。

それから思ったのは、若い頃なら「あー。こういう現場でオレも働きたいなあ。カイゼンしたいもんだ」と思ったに違いありませんが、今読むとどうもいささかしんどい。

以前にモノづくり系の会社で営業していたこともあって、仕事にハマる楽しさは知っているつもりですけど、終わりのないカイゼンってのは少し引いてしまうなーと。何のためにカイゼンするか。効率的にやるかっていうと、やはり楽したい、仕事を早く切り上げたいがためであって、果てしなくカイゼンを志向するというのはどうもなーって思いますね。楽したいよね。はは。

それに、システム開発系の現場で「カイゼン」するとなると、その成果が極めて測りがたくて、結果、自己満足の無限残業、仕事中毒になりかねない、という危険と紙一重。

システム系の業界は、もっと「手抜きカイゼン」を志向すべきというのはわたしの思いですが、非効率カモン仕事中毒おエラいさんにはウケがわるかろう。難しいところですな。

あとは、外人にとっては「労働=懲罰」という図式があるらしいですが、日本人にとって労働とは、現世利益に直結した中毒性のある宗教なのではなかろうか、などと不謹慎(?)なことも考えてしまったのでありました。

非効率を嫌い、努力を好むことに違いはないんですけどね。

ま、オレも頑張ろう。うん。

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