2012年4月11日水曜日

「無税入門」



一読して大層感心。市井の知恵。

ググってみたら毀誉褒貶具合にうひゃひゃ。

わたしの経験では、毀誉褒貶が激しいコンテンツは、いいコンテンツです。

内容は単純。

サラリーマンは片手間に事業を開始せよ。

その事業で赤字が出たらば(もちろん出す)、給与所得と損益通算して、年間の所得を0以下とし、所得税の還付を得よ。

素晴らしい。その通りです。

「それって違法?」

いやいや。法律には従っています。違法ではない。

「でも、税務署にやられるでしょ?」

はい。やられるでしょう。でも、まず間違いなくお目こぼしされます。この本の表現を借りれば、腹に数億抱えているのが他にうようよいるのです。

極めて実践的かつまとも。というのがわたしの認識ですね。

ま、「実際の支出を伴わない経費が発生する事業」を始めることが難しいですけどね。著者の本業はイラストレーターで副業がサラリーマン(!)とのことですが、一般ピープルはねー。難しいですね。いわゆる「士業」なんかはイケそうだけどなー。

あるじゃないですか。

アパートの下にある、やる気のない酒屋。そば屋。等々。

不動産所得を相殺するための、見せかけの事業。

事業収入から光熱費だの人件費(青色事業専従者給与)だのつけて赤字にして、それを不動産所得から引いて節税する。

行ったらとてもつまらん店。不味い店。そりゃそうだ。儲かっちゃ困る店だもの。

小金持ち地主が当たり前のようにやってる節税だけど、地元の魅力と勢いを削いでいるのは確実だよなーとか思ってしまうのです。

税制についていろいろ考えさせられる。これはいい本でっせ。

補足)

30万円の売り上げに90万円の経費。トータルで60万円の事業所得の赤字。

給与所得と相殺して所得税ゼロ。

「ん?30万の売り上げに対して90万の経費?だったら副業しないで貯めてた方が得じゃね?」と思った方。なかなかスルドイ。

しかし、ですよ?

月10万の賃貸マンションに住んでて、半額を事務所と看做して経費は5万×12カ月の年間60万。

携帯電話代2万×12カ月+電気代1/4が2千円×12カ月を経費と看做して、年間26.4万。賃貸と合わせて86万。さらに趣味と実益の支出が年12万で、トータル96万。

十分ですな。

「だったら、キャッシュインが0でもいいんじゃね?家賃の半額の事務所代が年間60万でしょ?経費だけ付けたらいいんじゃね?」

どうでしょうな。

30万程度の手取りがないと、事業であるという主張は厳しいでしょうな。

税務署は甘くないと思う。

逆に、30万程度の手取りがある人は、開業届を出すべし!って感じ?

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