2009年11月11日水曜日

フルメタルジャケット見た

これもまた昔から見なきゃならんなあ、と思いながら見てこなかった映画でした。

高校の時に「2001年宇宙の旅」にすっかりやられてから、キューブリック監督作品は一通り見なければいけない、というわけの分からない義務感を背負って生きてきました。でも、戦争モノって、スタローンとかシュワルツェネッガーが出るもの以外はヘビーに決まってるので、なかなか見る気になれません。しかもキューブリックだし。キューブリックかつ戦争モノ。そりゃ腰が引けます。

今回、積年の課題を解消しようとTSUTAYAでフルメタルジャケットを手にとったのは、やはりブログ一日一投稿という課題を自らに課したがために、そのネタ探しというファクターが大きかった。バカバカしい。おっと。思わず書いてしまった。しょうもないモチベーションですが、昔から気になっていた映画も見れたのでよしとしましょう。これもまたブログを書いていたからこそ。そうだろうか?

二晩に分けて鑑賞。やはり面白い。でも、あれ?なんだが展開の予測が付くぞ。いや、見えすいた展開で先がわかるとかじゃなくて、漠然と次にどうなるか知ってるって感じ。しかも断片的に。デジャヴュではない。記憶をたどったものの、やはり以前に見た記憶はなし。模造記憶か。

と記憶をひっくり返したところ、昔「シャイニング」(怖かった)と「時計じかけのオレンジ」(何となく面白かったという記憶しか残ってない)を、恐らくはNHKの衛星放送で見たことを思い出しました。とすれば、そのときにキューブリック特集をやっていたに違いない。ならばフルメタルジャケットも放映したことだろう。若かりし私が断片的にそれを見た、ということはいかにもありそうなことだ。ということで模造記憶については一件落着。NHKとキューブリックがいまいち結び付くようで付かないがまあよしとしょう。

圧倒されて鑑賞終了。エンドロールの間、立ち上がれませんでした。見たあとに大変奇妙な感覚が残るのはキューブリックの持ち味。

やはり映像が独特です。三分も見れば、あ、キューブリックだ、と分かるあの空気。対象との絶妙な距離感。密着することもなく、かと言って突き放すわけでもない、冷静なようでいて、奥底に狂気を秘めた視線。

戦争という狂気に翻弄される若者たち。人が簡単に殺される世界と、そこに生きる人々が、淡々と語られます。極限状況で普通の若者がどうなっていくのか。キューブリックの冷徹な目が戦争のもう一つのリアルを映します。

まあ、そんな小手先の解釈や評論など、どうでもいいんですけどね。こんな戦争映画、確かにキューブリックにしか作れません。わけのわからない、凄い作品だと思いました。

イヤだなあ。キューブリックだからって有難がってさ。何が言いたいか分からない映画でしょ。どこがいいの?あんな観客を放り出すような映画。

む。痛いところを。やはり好き嫌いでしょうね。私はキューブリックはかなり好きなんです。まあ、いい映画でした。

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