2009年12月2日水曜日

塩野七生「ローマ人の物語〜賢帝の世紀」文庫版26巻まで読んだ

★★★★★☆:歴史って面白い

26巻まで読了しました。次の27巻の手配が間に合わなかったので小休止です。

このシリーズを読み始めて最初のブログ投稿は、戦争に明け暮れる人間を嘆くような内容だったのですが、このシリーズを読み進めてみると、ローマ人も戦争ばかりしてるわけでもないことが分かります。特にカエサル以降。パクス・ロマーナ(ローマ平和)といって、平和を守り文化と経済の繁栄を目指した時代もありました。そりゃあ戦争ばかりじゃ金もかかるし国民も疲れるし、ローマ帝国が長続きする訳はありませんね。

しかし、それにしても素晴らしい本です。欧米人と関わる人は必読じゃあないかしらん。もちろんかかわらない人もね。これを読んで私は、大変遅ればせながらも、アメリカやEUの向かう方向が少し理解できたような気がしました。どうやら欧米人の考えの底流にローマ史があって、何がしかの影響を受けていることには間違いがなさそうだ。読んで楽しく、しかも勉強になり、教養も身に付く。実にいい本です。

塩野さんのスタンスがまた素晴らしい。暦史の教科書のような堅苦しさは一切なし。かといって司馬遼太郎のように歴史をマンガ化することもない。両者のいいとこ取りとでも申しましょうか。小説家(随筆家)として史実を描写するのですが、それが無味乾燥な歴史書でありえない豊かな文体となり、それに小説家だからこそなしえるファンタジーとロマンが適度に塩梅された考察が入る。ファンタジーという言葉を使いましたが、決して根拠のない妄想ではありません。深い人間洞察に裏打ちされた、リアリティのある人物描写です。ロマンの入り具合も絶妙です。感覚に流されていない。実にバランスが取れている。

塩野さん、自らが女性であるということをうまく利用し、恐らくは女性からの歴史観、皇帝観であることを、客観的に楽しみながら書いたに違いない。母として。あるいは妻として。そういう視点からあのような魅力的な皇帝像が生まれたのだと私は思います。

べた褒めです。本当にこれは素晴らしい本だと思います。

NHK「坂の上の雲」第一話見た

司馬遼太郎はマンガですね。登場人物はキャラ立ちしてるし、魅力的な逸話にも事欠かないし。とにかく分かりやすい。そうだなあ。高校生くらいに出あっていたら、もっとハマったと思いますが、人生経験も三十年越えるとちょっとしんどいかな。正直言ってところどころ苦笑を禁じ得なかった。マンガだ。と思って。念のため、マンガをバカにしているわけではありません。かつての名作家が現代に生まれていたら、マンガ家になっていたのかもな、などと考えるくらいで。

今後印象は変わるかもしれませんけどね。

悪夢の「ライブラリーをアップデート中」

iPodの話です。

消えますね。音楽データが。きれいサッパリ。

CNNのポッドキャストをダウンロードしながら他のことをしていて、何げにミュージックに戻ったら音楽データが全て消えました。ダウンロード中、後は動作が不安定になる模様。ダウンロードが完全に終わらないと操作してはいけないかも。

こればかりは勘弁して欲しいバグです。

2009年12月1日火曜日

立花隆・佐藤優「僕らの頭脳の鍛え方」文春新書

★★★★☆☆:読書オタク

活字中毒たちの愉快な対談でした。二人ともすごい量の本を読んでます。紹介される本に癖があって面白いです。個人的には近代日本史や自然科学系の本を紹介していた立花さんのリストが気にいりました。佐藤さんのリストはややディレッタントっぽい印象かな。

面白かったのはカントの「純粋理性批判」についての対談。立花さんはカントの認識論はもはや読むに値せず、という立場。空間時間が直観の形式だとか、カテゴリーだとかは現代の科学では通用しない。佐藤さんはその逆。カント的な考え方は今でもバランス感覚のある常識として通用する。

個人的には佐藤さんに軍配ですね。立花さんの言うことは正しいんですが、意見としては大学生レベル。純粋理性批判の最初の六分の一を読めば誰だってそう思う。それ故にある意味では妥当な意見とも言えるんですが、この著作をせっかく読むならもう少し深読みしたい。カントの思想はキリスト教と科学を共存させる見事なフィクション。見事というのは論理的に破綻していないだけではなく、そこにバランスが欠けていないから。佐藤さんからは純粋理性批判の表面的な解釈だけではなく、本質にまで踏み込もうとしている姿勢が伝わってきて好感が持てました。まあ、言ってみればキリスト教系文系虚学系人間と理系実学系人間の違いなんですがね。

ちなみに私は残念ながらカント読むに値せず派。純粋理性批判を読むよりフッサール読むべし。現代の我々が取り組んでも、そりゃあそれなりに得るものはありますけど、費用対効果で疑問だから。難し過ぎ。純粋理性批判を読んでビシビシ伝わる人は対象外だけどね。

対談は立花さんが重鎮という感じでどっしりと構えていて、そこに気鋭の佐藤さんが絡むという感じで読み応えあり。彼らの知識欲やパワーにあてられて多少の胸やけも感じますが、とにかく一線にいる人というのはたいしたものだなあ、と感心しました。

2009年11月30日月曜日

朝)チキンライス、昼)サンマ漬け、夜)ホワイトシチュー

プリキュアの前にチキンライス。子供に作りました。私は昨日たらふくビーフシチューを食べた後に、「ローマ人の物語」を読みながら、歯も磨かずに眠ってしまったので、食欲まったくなし。朝食抜きとしました。

昼はサンマの漬け。我が家族たちは焼きソバ食べてました。一人ぼっちでサンマ。

さばいてしょうゆとみりんに漬けて、

ご飯にぶっ掛けて食します。チューブのワサビが芋虫みてーだな。動いたら嫌なものは何ですか。それはサシミの上のサムシング。

これはもう動きようがない鶏がら。

昨日と同じような感じです。ただし赤ワイン抜き。

なぜかキャベツの千切りを投入。しかもたっぷり。実はこれも良い出汁になるんですよ。よい出汁が出る野菜は何ですか。ニンジン、タマネギ、キャベツ。白菜も多分OK。

シチューなので頑張ってパンを作りました。大丈夫かなオレ。疲れてないかな。ちょっとかったるいんだけどな。と軽く自問自答して結局パン製作。

二次発酵完了。例によってやる気のない形です。

シチューに後入れするじゃがいもとブロッコリー。後ろに見えるのは白ワイン。

仕上げにニンジン以外の野菜をブレンダーで砕き、鳥胸肉の削ぎ切りを投入。煮込みすぎると硬くなるので最後に入れます。

パンも焼きあがりました。わざわざ作って大正解。指は邪魔しに来た次女のもの。

シチューの完成。画像では分かりにくいですが、鳥胸肉がしっかり入ってます。どれも美味しかった。

以上。

ビーフシチュー

ビーフシチューにチャレンジしてみました。

しっかりと煮込む以外はできるだけ手抜きを志向

薄力粉を水になじませておきます。1時間以上。それからニンジンとタマネギを切って、

水と安物の赤ワイン500mlに投入。安物といっても油断すると普段飲んでるやつより高いから要注意だ。

火にかけるかたわら、肉のハナマサで購入したオーストラリア産牛肉500g 700円を下ごしらえ。右下の黒いのは邪魔しに来た次女の髪。

何か牛クセーって感じの肉。およそ高級とは言えない。大丈夫かな。と思いながら塩大さじ一と香辛料(粗挽き黒胡椒、白胡椒、タイム)をなすりつけて10分放置。

火の通った赤ワイン水にぶち込んで、トマトペーストを投入します。

トロみ付けの水溶き小麦粉投入。あとはひたすら煮込むだけ。二時間半くらい。

ビーフシチューで力尽きた私に代わって、妻謹製の全粒粉湯だねパン。

ビーフシチューはちゃんと本格的なお味に。心配していたハナマサ肉も、普通に美味しくいただけました。ビーフシチューとはワインとトマト煮込みと見つけたり。デミグラスソースも同じ。おいしゅうございました。