思い出話。
昔から料理は好きでしたね。学生時代にも、めったに魚捌かないのに出刃包丁持ってたし。でも、せっせと自炊してたわけでもありません。食べさせる相手がいなければつまらないですから。というか下手に自炊すると食べきれないことになる。食生活は結構テキトーでした。ツナに納豆和えて食べたり(意外と美味い)、惣菜のコロッケとゴハンだけで済ませたり。
白飯だけ炊いて、あとはキムチとか惣菜、というパターンが多かった。あるいは甘い缶コーヒーとタバコだけの朝食とかもあったな。若かった。メインは学食。暗いサークルに所属していた。サークルのメンバーと地味な学生向けの喫茶店とか、定食屋で場末ちっくなものを食べることもあった。大量の豚肉をその辺の市販の焼肉のタレで焼いたようなやさぐれた定食とか(でも美味かった)。食べたことはなかったけど、魚肉ソーセージにマヨネーズかけただけの定食もあった。他にジャンキーなインディアンパスタとか。まさに学生メシ。
昼食時には大学の周りの定食屋はいつも混雑していた。そんな定食屋で、友人たちと昼食を食べても何となく孤独を感じていました。暇なときは下宿先に篭もってビール飲みながら読書。暗くて地味でコンプレクスに満ちた学生生活。でも今思えばそれなりに充実していたような気もしてくるから不思議なものです。人生についてぐるぐると考えていて、どこにもたどり着けなくて苦しかったけれど、あの時考えたことは今の自分の肥やしになっている気がする。
インターネットがはやりだしたのは学生生活も後半の頃。テレホーダイなんてのがあった。モデム通信。回線速度は28.8kbps。市内電話料金でプロバイダーのアクセスポイントへ接続。Netscapeのv2.0。ってなつかし過ぎ。ああ、昔の友人と呑みたくなってきた。
ポテサラ作ってビール持って、下宿先のアパートの屋上に登って星を見ながら呑んだこともありました。イキなようで、実は殺伐かつ茫漠とした家呑み。今思えばBGMに般若心経が必要だったと思います。「一切は無である」みたいな。屋上でビールをあおりながら、まだ青臭かった心に虚無感が染みわたっていた。
なし崩しに時代はさかのぼって小学生の頃。家庭科でフレンチドレッシング(酢と植物油と塩コショウを混ぜたような簡単なやつ)を習って、すぐに家できゅうりとレタスのサラダを作ったことを思い出しました。両親に褒められた。こんな記憶どこに埋もれていたのやら。フナ釣り用のエサとして小麦粉練って持っていったこともあったな。スーパーのゆでうどんの方がよく釣れたけど。なんか小麦粉でエサを作るっていう工程が実験っぽくて楽しかった。これは中学生の時ですね。
高校生の頃は受験からの逃避でお菓子を作ってみたり。何やってたんだろうな。
時代は飛んで結婚する前、今の妻に冷凍コロッケを揚げて食べさせたら美味しいと感動してたこともあった。6個入り300円くらいの冷凍コロッケなんだけど、揚げたては美味いんだよねー。
「嫁のメシがまずい」スレを見ていると、嫁としてはダンナが厨房に入ることを嫌うようですね。
私は結婚前に妻に料理を食べさせていた伏線もあり、容易に厨房に入らせて貰うことが出来ました。っても別に狙ってたわけじゃないけどね。
妻は「嫁のメシがまずい」スレでいうところのフツメシ8割、ウマメシ2割、あっさり薄味和食系(食材も野菜と魚中心)の人で、基本的に妻に料理を任せることにはまったく異論はありませんでした。でも、若い頃はジャンキーな食事が食べたくなることがあって、たまに私が台所に立ってそういうものを作っていました。例えば・・・って例があまり思い浮かばないな。ええと。チキンライス、ラーメン、チャーハン、ハンバーグ、チキンソテーとか。そんな感じで。
でもやはり元々料理が好きなので、いろいろ手を出しているうちに、妻の担当エリアであった和食/魚料理にも手を出すようになり、かつ妻から「料理だけじゃなく後片付けもちゃんとしなさい」と言われたことで、台所周りの掃除もきちんとやるようになったあたりから妻の態度がビミョウになってきたことに気づいたのであります。
すなわち、たまに美味いものを私が作ると無言になるんですね。不機嫌とまでは行かないけれど。失敗気味の料理の方が却って褒めてくれたりして。
何となくそんな態度が気になって、「どうよ。ダンナが料理すると楽でしょう」と水を向けてみると(まあ今思えばデリカシーがないんですが)、ダンナが料理するのは実はあまり気に入らない。自分の仕事が取られたような気がするし、自分の料理がマズイと言われているような気すらする。もっと言えば、自分を否定されているような気がする。ああ。その発想はなかった。と得心しました。それで、あんたの料理は美味いと思っているし、これはあくまでオレの趣味だからあんたは何も考えずに美味い・まずい言ってればいいから、と説得。夫婦生活っつーのは難しいもんですよ。やっぱり。まあそれが面白いっちゃあ面白いんですけどね。ええ!そんなこと考えてたの!?みたいな。
まあ、そんなことはさておいて今日の料理です。
定番の夜間一次発酵。冷やした牛乳で生地をこねてすぐさま冷蔵庫に入れたんですが、一晩経ってみれば過発酵気味ですよ。ギリギリセーフぐらい。季節が変わると違いますね。
コールスローサラダと卵フィリング。牛乳をヨーグルトで代用。ダイヨウって危険なんですが、このケースではまあ問題なし。
きゅうりを切ってウィンナ茹でて
パンにはさんだり。(゚д゚)ウマー
昼、塩豚を仕込みました。塩豚。ヤバいんですよね。正直私には使いこなせない。でもだからこそ煽られる。何とかしてこいつを美味く食ってやりたい・・・
cookpadとかに塩豚仕込んで「一週間熟成中(はぁと)」とか「つくレポ」に書いてる人がいますが、なんかヤバイ臭いがしますよ。だんなかわいそう?ってかcookpadって地雷があるから面白い?cookpad愛用者の家族の意見を聞いてみたいなー。
たけのこ食いてーと思いました。水煮たけのこが高かったので季節がら普通のたけのこにチャレンジ。皮をむいてヌカと一緒にたっぷりの水で茹でます。
それからフキ。塩で揉んで茹でて皮をむきます。
出汁を出汁パック(魚粉、昆布粉、しいたけ粉煮出し式)ではなく、ちゃんと昆布と削り節で取ってみました。といっても鰹節ではなくてイワシとかムロアジとか、そういう安い節です。やっぱ美味いね。出汁パックも美味いんだけど、雑味がある気がする。安い節でもいい感じでした。鰹節と昆布でキレイに出汁を取ると、感動的に美味いんだけどなー。さすがにそれは贅沢な気がする。でもいつかやってみよう。贅沢といってもたかがしれてるハズ。
そうこうしてるうちにたけのこが煮上がったので、フキと油抜きした油揚げを出汁で炊きます。
それから治部煮。「娘に伝える私の味」で目に留まったので作ってみました。レシピはネットで補間。この本、しみじみといい本です。料理への愛情がひしひしと感じられる。
北陸は金沢の料理です。鶏肉に下味を付け、片栗粉をまぶして茹でるのが特徴。美味かった。長女に大好評。なぜか次女には人気がなかった。なぜかな。
たけのこはエグみ強すぎ。丁寧に作業したけどダメでしたね。たけのこは初日の出端を買ったらその日の午前中にアク抜きするくらいじゃないとダメです。迷ってる暇などない!子供にも残す許可を与えました。
フキは美味かったです。かみ締めると春を感じさせる野草っぽい苦味とじんわり広がる出汁の味。一口食べてこれだぜ!!と思いました。祖母の定番惣菜の味。美味いね。でも子供には不評。まあそうだろうな。子供にはノルマを少なくした上で完食して貰いました。
全般に大人メニュー。出汁が効いて美味かったです。まあ成功、成功。
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