映画の内容ですが、ザックリ書くと、物質文明に絶望し、家族関係にもトラウマを持つ主人公が、大学卒業後に家族に内緒で放浪の旅に出て、いろんな出会いをしたり、いろんな経験をする、というロードムービー、といったところでしょうか。
粗筋は地味なのですが、自然描写と人物描写がいちいち素晴らしくて、二時間以上の間まったく飽きることがありませんでした。
アラスカ、グランドキャニオン、砂漠の荒々しくも崇高な光景。すれ違う人々それぞれの人生とのふれあい。そして主人公の成長。
若さ故のシンプルでまっすぐな人生と、すれ違う人々の、酸いも甘いもかみ分けたような、苦しみを通して矛盾や怒りを受け入れてきたような人生が、衝突することなく交差し、温かい交流が生まれるようすはとても感動的です。ラストにも圧倒されました。
家族ってなんだろう。生きるってどういうことだろう。
古くさいような、青臭いような問いですが、この映画を見た余韻が、そんな形の問いになって、心の中でゆっくりと響いているような気がしました。
0 件のコメント:
コメントを投稿