2009年11月6日金曜日

塩野七生「ローマ人の物語」読み始めた

★★★★★☆:歴史って面白い

これまでの人生を通してあまり歴史には興味がなかったんですが、やはり教養として西洋史か日本史くらいは押さえたい。そう思って読み始めました。隙間時間に読んで、文庫版の第一巻半分くらいまで来ました。面白いです。これは期待ができそう。ああ。この本、高校生の時に出会ってればなあ。受験勉強もはかどったに違いない。つまらない教科書ってのは罪ですよ。多少主観的だっていいじゃないか。歴史なんていかようにでも面白く書けるでしょうが。専門家が客観中立の立場で書く本ほどつまらないものはないね。いや、専門家でも思い入れたっぷりで書けぱ面白いはずなので、けなしているわけではない。歴史とイデオロギーに密接な関係があるから(価値判断の裏にイデオロギーあり)それを恐れているのか。下らないなあ。でも歴史教育の暗記科目化が、歴史に無頓着で刹那的な日本人を作り、それが日本人の平和ボケ意識を助長する一端を担っているとすれば、それも悪くはないか。某国も某国も歴史にイデオロギーや政治を結びつけず、各国民に事実を暗記させれば、日本国周辺はもう少し平和になるに違いない。事象はかくの如く多義的であります。

それはさておき、言うまでもないことですが、ほんの少しだけでも歴史を眺めてみるだけでも、人間というのは本当に戦争に明け暮れて来たんだなあ、ということが分かります。戦争。略奪。支配。暗殺。全てが血生臭い。

人間てのはやはり競争が好きで、自分以外の人間が没落するのが好きな、支配欲と独占欲と、後は何だろう、まあその手の煩悩に縛られ、かつ実践しているのだなあ、ということが、歴史を見ても今この世の中を見てもよく分かります。やはり人間は利己的な遺伝子の乗り物であったか。

私は感傷的になると、ユートピア社会主義的なこと(貧困はダメだ、自己中な金持ちはダメだ云々)を言っており、まあ普段も出来るだけそういう社会に近づけなあかんでしょうに、と思っているのですが、歴史をチラと眺めるとどうにも道険しというか、人間ってのはダメじゃなかろうか、とそんな気がします。ある程度は分かっていたことなので今更ガッカリもしませんけど。

お釈迦様は全ての煩悩を捨てなさい、世の中は虚しいのだと言いましたが、その教えを忠実に実践してると、人間の種としての繁栄はなかったわけで、となると何がいいのか悪いのか、価値判断というのは本当に難しいのだなあ、ということがよく分かります。果たして周りから略奪して生き残ったものが正義なのか。それとも慈悲の心で生きとし生けるものをあわれむ、一切衆生悉有仏性が正義なのか。

いやあ、歴史って本当に面白いものですね。

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