2011年12月27日火曜日

繰延税金負債2

次に「積立金を確保しておいて、それを内部的に戻し入れる方法」

具体的には以下の仕訳となる。

補助金100で今度は土地200を買った 土地 200/現金 200

でも、今度は土地なので減価償却なし。土地を減額しても、それを通じた損益の調整ができない。

こんなときに 繰越利益剰余金 100/圧縮積立金 100

という処理をして、利益剰余金から補助金分を控除しておく。

損を出すのではなくて、利益を除けておく。

翌期以降に 圧縮積立金取崩 10/繰越利益剰余金 10 とかやって利益を取り戻すわけ。

そして税務計算で、圧縮積立金繰入損とか、戻し入れ益を認識するわけ。

ところがここで問題が。

この「繰越利益剰余金 100/圧縮積立金 100」と「圧縮積立金取崩 10/繰越利益剰余金 10」という仕訳は、BSにもPLにも乗ってこない。

株主資本変動計算書ってとこにしか乗らない。

これは多分「圧縮積立金」という概念が、資産という概念にも負債という概念にも、株主資本という概念にも適さないからだろーなー。
  (「圧縮積立金引当繰入」「圧縮積立金引当」みたいな勘定使えないんか?などと思うけれど、やっぱり(将来の損失への)「引当」概念も違うもんなー)

そして、ここがややこしいんだけど(そうでもないか)、この繰越利益剰余金ってのは、本来PLの最後に確定するものであって、すなわち税金がかかってるはずのものであるわけ。

だから、国庫補助金 100(益金) だったとして、同額を繰越利益剰余金(課税済みの金額)から繰り入れるのはおかしいわけ。

ってことで、繰り入れる金額は、最終的には税金(仮に40%)が掛っているので、こうなるはず。

「繰越利益剰余金 60/圧縮積立金 60」

残りの 40 は?っていうと、これが税金の後払い分。

「法人税等調整額 40/ 繰越税金負債 40」

ってことになるのであります。

繰越税金資産は、その額はBS価額を直接操作することはなかったけれど、それは上に書いた遠り、税額計算前の損益だから。

圧縮損処理で繰延税金負債が発生しいないのは、税務上の損金と会計上の費用に(限度を守っていれば)差異がないから。

と、こんなことも理解せずに去年は受けてたんだよなー。と反省。

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