★★★☆☆☆:土着宗教の凄み
分かりやすい。でも理解するのは難しい。素直にそう思いました。
イスラム教が極めて身近な行為(敢えて卑近な行為と言ってもいいでしょう)に則して描かれています。たとえばラマダンで祈ることは良い信仰だとか、挨拶をしなさいとか、喜捨しなさいとか。他には屁をしたときの作法とか、大小便の作法だとか、体を洗う作法だとか、性交を終えた後の注意だとか。
とにかく難しいことは全く書かれていません。手はきれいな砂で洗えとか、祈りの最中に放屁してしまった場合は、体を清めてやり直せ、とか。生活の全てを信仰に結びつけています。
読んでいてとにかく不思議な気持ちがしました。伝わってくるのは理性だとか科学的方法なぞほとんど歯牙にもかけないその迫力です。信仰というものの持つ土着性というか、とにかくこういうことになっているのだ。という確信の強さが凄い。人が何かを信じて生きるというのは、いろんな意味で大変なことであるなあ、と思わされました。
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