2010年2月2日火曜日

マックス・ウェーバー「職業としての政治」岩波文庫

★★★☆☆☆:まあまあ。現代性もある

政治家になりたい人、政治家と関わる人にとっては必読の本かもしれません。政治を職業とするということは、とりもなおさず私利私欲と公的な利害とのバランスをつけることであり、うまくやって行くためにはセンスが必要となります。日本のマスコミでは、政治家と金との関わりを蛇蝎のように嫌うトーンの記事が多いわけですが、そんなに簡単な話じゃあなかろうと私は日々思っており、ウェーバーもその辺かなり現実的な捉え方をしております。いや、別に当たり前のことだと思うんですよね。もちろん金権汚職政治を認めるわけじゃないけれど、グレーゾーンは絶対にある。そこをどう解釈するか、意見は分かれるはず。

まあ、基本的に斜め読みでしたがね。政治家になるつもりもないし、こちらから積極的にお近付きになりたいわけでもないので。

一つはっとしたのは、国家の裏には暴力があり、国家は暴力を正当化できる唯一の機関だ、という旨のルカーチの言葉です。ああ。そうだろうな。植草一秀さんのことを思い出すまでもありません。国家と選挙権を持つ人との間には、常に緊張関係がなければヤバイな、と思いました。

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