2010年5月24日月曜日

熊沢誠「働きすぎに斃れて 過労死・過労自殺の語る労働史」岩波書店

★★★★★★★★★★:この国で幸せに生きるためにはどうすればいいのか

怖い本でした。凄まじいばかりの現実。私も一時期、こんな職場にいました。鬱でした。妻や子供に不機嫌な態度を取っていました。他人事ではない。

タフなモーレツ社員が出世するわけです。極めて残念なことながら。効率は二の次。とにかく長時間、馬車馬のように働き、働かせる人間が上司になる確率が高い。そのような上司の主張は単純です。全てを完全にやれ。

いや、そうじゃないでしょう。費用対効果の高い仕事にリソースを注ぎ込むべきだ。時間は有限なのだから(ドラッカーが日本で受けるのは、精神論でギリギリまで突き進む社畜に対向したい人が多いからかも)。私は相当上司に文句をいったし、間接的なボイコットのようなこともやった。恥も外聞もなく、もうできない、勘弁してくれと白旗も上げた。最終的には辞職した。やはりしんどかった。本当に疲れた。自分で言うのも何ですが、私は芯が強い方だと思う。気持ちの弱い人は滅茶苦茶に働かされるにちがいない。潰される人だっているかもしれない。

子供にはできるだけ幸せになって欲しい。そのためにはどうすればいいのだろうと思い患う日々。

まるで戦争のようなサラリーマン人生。これで幸せになれるはずがない。どこかで歯止めを効かせなければならないのではないか、と。

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