熱心さは伝わってくるものの、果してこれがどれだけの人に届くのかね、とちょっと冷めた目で見てしまいました。
結局西洋哲学というのは、遠い国の、まったく異なった思想、宗教を背景として持つ人たちの産物ですから。
まず普通に理解するのが大変。だってキリスト教ですよ?全能の人格神とか三位一体とかそんなの分かりませんよ。でもそれが分からないと確実に西洋哲学はわからない。タチが悪いのは、フッサールまでの西洋哲学は確かに客観的普遍的なように見えるのですが、実はかなり歪んだ西洋的バイアスがかかっている点です。主観とかロゴスとかね。まさに西洋のキーワードです。
そこんところ、エポケーとか現象学的還元で分からないのかね。
この本、真っ向から現象学を紹介してるんですが、若干息苦しい。熱意の上滑りという気もしてしまう。だって厳密な学の基礎付けなんてモチベーションが理解できます?できたとして興味持てますか?
文系学問の宿命なのかもしれませんが、教授の皆さんももう少し自由に好き勝手に思い入れ含めて書いてもいいんじゃなかろうか、と愚考します。そういう意味では竹田青嗣さんなんかはいい仕事してると思いますね。
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