2008年6月24日火曜日

大阪橋本知事の改革で気になること

「民間はもっと苦労している。公務員の方も理解して欲しい」というのがasahi.comで橋本改革関連のニュースでよく取り上げられている決めゼリフです。ネットを巡回していても(私の巡回範囲なぞ狭いものですが)この言葉を支持する書込みが多々見られます。

もう少しこのスローガンを補足すると「大阪は民間で言えば債務超過の大赤字であり、ほとんど倒産状態である。民間であれば潰れて皆が路頭に迷っていてもおかしくはない。公務員だからといって安穏とせず、リストラに協力して欲しい」といったところでしょうか。

大阪の公務員の方からすれば受け入れがたいロジックだと思います。民間民間ってこっちは公務員なんだから知らないよ。民間の人が苦労しているからって、それは民間企業を選んだその人の責任でしょうが。

一方で一部のWeb上での大阪公務員バッシングは激しいものがあります。「子供がいるから給料が貰えないと困るとはなんだ。民間でそんな理由が通用するか。こっちは金も時間もなくて子供すら作れないんだ」。公務員は甘い。民間じゃ考えられない。俺たちは大変な思いをしているのに。

それぞれの立場にはこれ以上は立ち入りませんが、私が気になるのはWeb上の公務員バッシングにどうしようもないルサンチマン(怨恨)が感じられることです。

そのルサンチマンが「民間は苦しいのに公務員が楽してはいかん」という単純な図式を強烈に支持しているように見えてしまう。

薄給でハードワークをこなしながら、会社が潰れやしないか、リストラされやしないか、と不安を抱えるサラリーマンや派遣社員の人が公務員を叩いている。この状況が悲しく見えてしまうのは私だけでしょうか。

民間は民間でそれなりの、公務員は公務員でそれなりの人生が送れる社会が、本来あるべき社会ではないでしょうか。今の社会がおかしいからルサンチマンを持たざるを得ない人が増えているのではないでしょうか。

何かによって搾取されている若い世代の人たちも、橋本改革の図式に表面的に感情移入するのではなくて、その裏にある本当の問題(それが何かは私にもはっきりとは分かりませんが)を考えてみてもよいのではないでしょうか。