2010年5月14日金曜日

猫のエサやり〜エゴとエゴのぶつかり合い

集合住宅で野良猫に餌をやる人と、それを迷惑に思う人とのぶつかり合い。無責任なことを言うようですが、なかなか面白い訳です。

私なら、人が猫に餌をやっていても別に止めやしませんが、基本的にはその人のエゴだと思いますね。命が大事だとか慈善というのは考えが浅い。他に助けるべき命がないか。なぜ、目先の可愛らしい猫なのか。避妊手術をしたそうだけれど、それもまたエゴじゃなかろうか。汝の隣人はどうでもいいのか。

親鸞上人は、貧しい人が飢えでばたばた死んでゆくのを見て、人を救えるのは阿弥陀様しかない。念仏しかないと腹をくくった。凡夫の自分には、人を救う力がないのだ。それに比べれば、餌をやるのが慈善だ、というのはどうも僭越な気がする。餌をやるのはいい。文句あるか。俺のエゴだ。しかたない、と苦笑しつつ認める。しかし、慈善だと主張されると、お前何様だと思言わざるをえない。まあ、無茶な比喩だけれど。

あとはあれです。生態系に人が介入するというのは、基本的には誤りではないか、と。人知の及ばぬ大きなシステムがあるかもしれない。シマウマが可哀想だからといって肉食獣を駆除するわけにはいかん。必ず副作用が出る。ってこれまた乱暴ですが、言わんとするところは伝わるでしょうか。

まあ、結論として、人間というのはどうしても仲良く笑顔では暮らせないものだなあ、というところでしょうか。

ひろさちや「お念仏とは何か」新潮選書

★★★★★★:いいっすなあ

感動ものですよ。ひろさんは凄い。人間は皆菩薩なんだ、と。一切衆生悉有仏性。皆旅人だ。南無阿弥陀仏。

年を取るとしみじみわかって来ます。いろんな縁やらはからいで自分の人生が成り立っている。若い頃は、なんの。俺は俺だ。気張って生きて行くぜ。オラオラ。他人?知るか!と思っていた。でも最近は、年のせいかしら、私は生かされているのだなあ、としみじみ思うようになってまいりました。人は変わる。

欲望という名の電車見た

怖い映画でした。ビビアン・リー怖い。マーロン・ブランド怖い。しかし、とにかく引き込まれる。卓越した心理劇です。傑作。

しかし、何が言いたいのか分からない。だからダメだというのではない。これは傑作だ、というのが最初に来ます。しかし、この映画は何をいっているのだろう、と考えさせられる。

表面的にみれば、かつての上流家庭の子女が堕ちて行く、その過程を描いた映画です。でも倫理的な分かりやすい教訓が語られるわけではない。一般庶民の暮らしが賛美されるわけでもない。欲望と幻想と、生きるのに必死となっている人間のリアルが描かれている。

とにかく、すごい映画でした。後味は悪いですけどね。

阿佐田哲也「麻雀放浪記」角川文庫

★★★★★★:ものすごく面白い

悪漢小説の最高峰。凄いっす。

最近仏教とかきれいな本ばかりを読んでいるこたもあって、精神衛生上もよかった気がします。清すぎる水に魚は住めない、と。

岡野守也「唯識のすすめ 仏教の深層心理学入門」NHK出版

★★★★☆☆:わりとよかった

どうせトンデモ本だろう、さあ貶してやろうと最初からバイアス掛けて読んでみたのですが、裏切られました。全然悪くない。縁起の説明など秀逸といってもよい。ははあ。これは失礼いたしました。

しかし、フロイト、アドラー、ユング、トランスパーソナル心理学のあたりは完全に蛇足とみました。唯識一本でいいですよ。西洋のパラダイムと安易にアナロジーで比較してはダメだと思います。そこには見過ごせない壁がある。お互いを理解するため、見かけ似ているところではなく、違いをはっきりさせた方がよろしいか、と。

玄侑宗久「サンショウウオの明るい禅」文春文庫

★★★☆☆☆:気楽な読み物

気楽なエッセイです。たまにニヤリとさせられたので星三つ。

黒崎宏「純粋仏教本セクストスとナーガールジュナとウィトゲンシュタインの狭間で考える」春秋社

☆☆☆☆☆☆:なんじゃこりゃ

ふざけるな、とでも言いたくなる。教授だったら何を書いてもええのか。

ひろさちや|高史明|山崎龍明「『嘆異抄』を読む」すずき出版

★★★★★★:ひろさちやさんの解説が素晴らしい

これは感心。感嘆。ひろさちやさんの力量を見ました。すごい。平易な言葉で、これほど深く嘆異抄に踏み込めるか。感動ものです。

高さんの解釈も感動的です。失くなられた長男との対話が胸を打つ。

山崎さんのは講演仏教。心に響かず。

2010年5月11日火曜日

うん。鬱かもしれない

雨の新緑(Flickr)

最近どうも朝早く目が覚めてしまってひょっとしたら鬱じゃないかしらん、などと考えていたのですが、これはどうも本当に鬱じゃないか、と思い始めました。これが一週間~ひと月くらい続くのか。。。まあ、私の場合はそんなに深刻な症状じゃないんですけどね。タブンね。

鬱になると嫌なニュースが目につくし、読んだら読んだで嫌な気分になる。自分と周りの人間にむやみと腹が立つ。

それから不思議と酒が美味く感じられる。でもこれは前向きな現象ではなくて、体が酒による逃避を求めているわけです。すなわち酒量が増え、酔って寝るから睡眠不足が増え、さらに心身の疲労が溜まるという悪循環。

人生とは苦である。すなわちそもそもマイナスである。だから、別に苦を恨む必要もなく、自己を無にしてゆったりと生きればよいのですが、これもまた鬱だとなかなかしんどい認識です。

もう少し我慢だ我慢だ。少なくとも人になるたけ当たらないように気をつけよう。

2010年5月10日月曜日

厳家祺・高皋著 辻康吾監訳「文化大革命十年史 上」岩波書店

★★★★★☆:こんな歴史があったのか

恥ずかしながら知りませんでした。もちろん、単語位は知っていましたけど。こんな騒ぎがあったとは。

やはり社会主義は人間の愚かさを度外視している時点でダメなんだな、というのが私の感想。民主資本主義が辛うじて何とか行ってるのは、賢いエリートや優秀な人よりも、玉石混淆の民衆の方がブレが少ないからかしらん。たとえ個別の判断は怪しくても。

面白かったのですが、興味のエリアから少し離れていたのと、途中でお腹いっぱいになったため、半分強で投了。

橋川文三編著「日本の百年7アジア解放の夢」筑摩書房

★★★★★☆:いい

2.26事件発生の背景となった農村の貧困や、エログロ時代の記載が面白い。こんなことがあったのね。

ひろさちや「空海入門」中公文庫

★★★★★☆:楽しくてためになる

いいです。単純に読み物としておもしろいし、しかもためになる。ひろさちやさんは秋月さんのお墨付きでもある。ちょっと不思議。秋月さんも年を取って丸くなられたのか。それとも、秋月さんはご自身の著書から感じられるよりは柔らかい人なのかも。

今西錦司/吉本隆明「ダーウィンを超えて」中公文庫

★★★★★☆:吉本隆明コテンパン

何となくかみ合わない進化論の会話から、社会論、学問論へ。ここからが面白い。エンゲルスの意義を訴える吉本隆明さん。しかし今西さんは、あんなもの西洋的思想と価値観に染まったもんで今時通用しない、とあっさり否定。大家がそれを超える大家にポカリとやられるのが傍目に大変面白い。

進化は成るべくして成るという今西さんに、吉本さんが、もう少し論理的に説明できないかと突っ込むものの、あんたの言う論理は西洋の論理や。なるべくしてなるも、立派な論理や。との切り返し。見事。

今西さんの前では、吉本隆明もかたなしと私は読みました。やはり、フィールドワークを経て、実際に見て、聞いて、感じてきた人の言葉は違う。養老孟司さんの安定した思想も、長年の解剖作業の成果なのだろうな、と思います。体を使う人は違う。吉本隆明さんも、一流の学者、批評家だと思いますが、ここは今西さんに一本というところでしょうか。

しかし、これが五年前に読んでいたらまた感想は違っていたかもしれません。今西さんは、完全に、しかも自然に肩肘貼らずに、西洋を相対化している。これはやはり、非西洋的なアプローチで結果を出してきた大家だからこそできたのだと思う。昔の自分にそれが理解できただろうか、と想像してみると、はなはだ心もとない気がします。

まあ、とにかく非常に興味深い本でした。

NHKアーカイブ「心の時代 鈴木格禅」

テレビで見ました。10年前に無くなられた禅の先生のインタビューです。

いや、感動しました。訥々と語る様子に引き込まれた。文字通り生きた思想に触れた気がしました。細かいところがどうというのではなく、とにかくその迫力。そこに人間がいた。生きていた。それだけで圧倒。当たり前のことです。誰だって生きている。でも、本当に生きている人が、どれほどいるか。

死ぬことばかり考えていた戦時中。陸軍に志願したものの、病気が見つかって入れなかった。病気を直して入隊したら戦争が終った。戻って仕事をしても虚しい。いっそ死のうかと思っていたところに、かつて尊敬していた禅師との出会いがあった。人に歴史有り。人生というのは不思議なものです。

禅を学ぶには師匠につかなければいかん、と言われますが、これを見てそうだろうな、と思いました。テレビ越しでも分かります。やはり本人の口から出る言葉は力が違う。本だけではつらい。じゃあどこで師匠に会えるか。こればっかりはどうすかね。運ですかね。犬も歩けば棒にあたる。しかしどこを歩けばいいのやら。人生これ迷い道。歩けど歩けど訳のわからぬ偶然にぶつかるばかり。

2010年5月9日日曜日

唐揚げ、つけめん

鶏胸肉の唐揚げです。実は初チャレンジ。唐揚げってわたし的には敷居が高い。なぜだろう。コロッケの方が敷居が低いのだ。

4時過ぎに調理着手で漬けたのは1時間ほど。丸一日漬けても美味いらしい。でもそんなに待てないし。

片栗粉と小麦粉と卵です。

ゆるいなあ。大丈夫か?と疑いながら揚げたところ、


おお。いい感じじゃないか。

あ、確かにこういう唐揚げって見たことあるぞ。っていう仕上がり。

あとはつけめんです。モヤシも別ゆでしてあります。

おいしく頂きました。こういうのもありっすよ。

パン、何とか鶏挽肉ライス(創作エスニック@有楽町)

朝5:50起床。目が覚めてしまうのだ。うつ病ではない。おそらく。

早起きしたので久しぶりにパンを作りました。

一次発酵完了。いい感じ。

二次発酵の王蟲群。Ricoh GRDIIIはこういう写真が得意です。

焼きあがりの王蟲。美味かった。あとはチャイと妻謹製のサラダ。

昼は用があって有楽町にて独りメシ。この後、有楽町ビックカメラにてGRDIIIのケースとかを買いました。ほほほ。