2011年10月17日月曜日

渋谷に映画見に行った

学生の頃、映画が好きだった友人に連れられて(あるいは時には自分一人で)、たまにミニシアター系の映画を見に行ったもんです。

暇で暇でどうしようもなくて、たまたまお金がある時に、(貧乏学生からすると)大枚の入場料払って。
エミール・クストリッツァ(アンダーグラウンド、黒猫白猫。いずれも傑作)とかペドロ・アルモドバル(アタメ。タイトルが傑作)とか、その他地味な映画を見ましたね。ナツカシー。

ええと、あそこは何て映画館だっけ。確か同じビルに本屋が入ってた気がするな。

・・・朝日・・・なんとか?とか思ってググってみたら、「京都朝日シネマ」がヒット。あ、これだ。

しかし、ほぼ10年前、2002年いっぱいで閉館した模様です。時代は変わるのだ。
映画館の空気はよく覚えています。その空気も、失われてしまったかと。「ああ懐かしい」と思い出せるような場所すら消え去ってしまうのは、寂しいもんだなあと思いました。

ということで、本題。

少なくとも学生時代より金を持っているわたくし。

久しぶりに映画でも見にいくかと。

調べてみると、あるわあるわ。ミニシアター系の映画館。

遅ればせながら、東京ってスゴいな。と感心しましたね。
長いこと東京に住んでますが、映画館という切り口で東京を見たことがなかったのです。

で、いろいろ吟味して、うん。これなら見てもいいかな、という映画を発見。

さっそく渋谷ヒューマントラストシネマに行ってきたのでした。


地下鉄を出てすぐ目の前。

豪華なビルの8Fです。

ミニシアター=うらぶれてるイメージを持っていたので、裏手の方とか探してしまいました。



何となくゲージツ的なインテリア。

チケットを購入したるは・・・



カンパニー・メンだったのでした。

さっそく感想。

富裕層に対するアメリカの中流階級の怒りが、ストレートに表現されてます。

アメリカから始まった反格差デモが世界を席巻してますが、それと強くリンクしてるような気がしましたね。もちろん、この映画からデモが始まったわけではないでしょう。しかし、アメリカの中流階級以下の国民も、さすがにアメリカ流の強欲資本主義にはうんざりしていることが、リアルに伝わってきます。

個人的に生々しかったのがベン・アフレック。

ある日突然首になった大企業の営業部長役です。
設定年齢はわたしとほぼ同じ。
二人の子持ち。(子供の年齢も、ウチと近そう)
年収1,200万程度だったかな。(これは近・・・くない。しかしリアルな数字だな)

ローンで豪邸買って、ポルシェ買って、ゴルフクラブの会員だったり、バブリーな生活を満喫していたところに突然の解雇通知。

奥さんや子供はその事実をワリとすんなり受け止めます。

  子供の心配が何よりも「パパとママが喧嘩したかどうか」にあったという描写、泣かされました。そうなんだよねー。子供にとっては、仕事なんかより、パパとママが元気にやってるのが大事なんだよねーと。さりげないシーンでしたけど。

奥さんはさっそく仕事を見つけて働き出すし、いろいろ節約を検討。

子供も(バブリーな父親から)プレゼントされたXBoxをさっそく返品。

一方、どうしても失業ライフに馴染めないベン・アフレック。「大丈夫。すぐに仕事は見つかる。何とかなる」と、ポルシェやらゴルフやら、バブリーなライフスタイルを捨てきれない。

この辺、身につまされるというか、青ざめるというか、背筋が冷えるというか、そんな思いで見ました。
あー怖。

わたしも比較的質素な生活スタイルをしておりますが、やはり学生時代から比べるとずいぶん遊興費が増えましたし。酒もたっぷり飲めてますし。(学生時代は呑みたくても呑めない日があった)。楽な方のライフスタイルに慣れるのって、簡単なんだよなーと。

ちょっと心しようかなと。

ま、さすがにベン・アフレックも、次第に節約生活に慣れて行くんですけどね。

そして最後は何とか希望を持たせるハッピーエンドで。

大傑作ではないものの、人生をしみじみ考えさせられたなかなかの佳作だったのでした。

以上。

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