2012年4月10日火曜日

「私は税務署と闘う 恐ろしい日本の未来」



いやあ。面白いっすね。まさに副島隆彦氏の面目躍如。

内容は「副島隆彦の学問道場」経由で受け取った寄付金が税務署によって「事業収入」と看做されてしまったものの、副島氏は当該サイト運営を収益事業とは認識しておらず、むしろ自腹ボランティアと思っていたがために、当然のことながら経費をきちんとつけていなかった。

よって、証明できる経費が僅少ということで収益のほとんどが所得(儲け)として課税されてしまい、実際には赤字持ち出しでお金なんかほとんどないのに、2,000万(だったかな)の税を余分に取られてしまったという大変気の毒な話であります。

この本によれば副島氏の年収(収入)は調子の良い時で1,000~3,000万程度とのこと。基本的に文筆業は当たり外れの激しい水モノですし、彼の書く本の性格上多くの接待交際費が発生するでしょうし、給与所得控除もないしということで、税引後の実際の手取りはせいぜい50%を超えてくる程度ではなかろうかと。それが2,000万を払うんだから、大変ですよねー。ま、出版社からの前借で何とかしたとのことで、その辺はさすがですけど。

ここ数年税務会計などを勉強している財務会計初心者のわたしからすると、そりゃ勝てないよなー。プロの会計士が正論で闘っても負けるくらいなんだから。とか同情しちゃいますね。税務署は収入と費用しか見ないからね。んで費用を適当に否認して、推計で税額押しつけて、刃向ったらエライことになるぞ、と脅しつけて税金を巻き上げる。それが税務署なのですな。

副島氏もそうとう怒っておられて(当たり前だ)税務署だけではなく、日本の官僚の在り方を強烈に告発されておられます。

この方、その語り口の激越さと、いささか被害妄想めいた陰謀説によって「トンデモ系評論家」などと揶揄されることもありますが、ある程度割り引く必要はありつつ、傾聴に値する人だと思いますね。結論はまともだったりしますし、陰謀説も「そんなこともあるかしんない」というレベル(焼きそばに含まれる紅ショウガ程度の割合?)で念頭に抑えとく方が健全じゃなかろうかと。

しかしまあ、最近税務&財務会計系の生々しいあたりの本をいろいろ読んでますが、恐ろしい世界ですわ。まっとうで優秀な公認会計士の人が、無知な官憲の横暴によって酷い目にあわされる世界。

小沢一郎の政治資金疑惑だって、怪しいもんだぜ。とか思いますね。政治家なんか、誰だって叩けば埃がでるでしょうが。財務省に楯突いたからとか、そういう背景が絶対にあるはずだと。

くわばらくわばらと思うのです。

ま、わたしレベルの収入だとお目こぼしエリアのハズだし、帳簿もちゃんとつけてるし、経費≒人件費の明朗ビジネスやってるから、仮に税務調査が入っても大したことなかろうと思いますけどね。

これからは「脱税」とかいうニュースを見ても「金持ちざまぁ」などとは思わず、冷静に評価したいと思いますね。恐ろしや。

以上。

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