2009年5月27日水曜日

子供たちへ

家から駅までの通勤ルート。通学路と重なっている道があって、小学校低学年の子たちをよく見かけます。たぶん私の出勤する時間が高学年が登校する時間よりは少し早いから、低学年の子が多いのでしょう。みな小さくて可愛い。思わずにこにこしながら歩いてしまいます。彼(女)らが小さいだけ、高学年の子たちの大きさが際立ちます。これで小学生か?と思うこともしばしば。

低学年の子たち。何人かで集まって登校しているのが6~7割くらいでしょうか。ひとりで登校している子は少ない。親しい子同士で誘いあって登校しているのでしょう。

確かわが娘も頑張って友達を誘っていた。一時期何となく友達とうまく行かなかったのか、一人で登校していて気を揉んだ時期もありました。子どもたちの付き合いもまた難しいようです。

通勤途中すれ違う小学生の中に、黒人の女の子がいます。肌の色は中途半端なブラウンではなく鮮やかな黒色です。可愛いパステル調の服からすらりと伸びた黒い手足。その子が前から歩いてくると遠くからでも目を引きます。でもじろじろ見るのも失礼だから、何となく目を伏せる。でも目を伏せるのがかえって申し訳ないような気もして、やっぱり何事もなかったように前を向いたり。そんな感じでいつもすれ違っています。

そしてその子がいつも一人で登校してるんです。どうしてかな。やっぱり肌の色が違うから、友達ができにくいのだろうか。すれ違うたびに何となく気になります。お母さんは心配してるだろうな。やっぱり肌の色が違うから友達ができないのかなって。

この間、何気なくその子の顔を見てみました。どんな子だろう。どんな顔をして登校してるんだろう。おずおずと彼女の顔を見る私。なんとなく申し訳ない感じがしました。何が申し訳ないんだろう?

そして初めて見たその子の顔。ハッとしました。目が綺麗だったんです。黒い目がしっかりと前を向いていました。まっすぐに。毅然としたまなざしと表現するにはまだまだ子供っぽい。かすかに悲しみとか辛さが見てとれるような気もします。でも、何か遠くのものを、しっかりと、そしてまっすぐにとらえているような、大きくて黒い、きれいな目でした。

私はその目を見て少し安心しました。うん。大丈夫。きっといい友達ができるよ、と。肌の色なんて関係ない。確かに肌の色のことで嫌な思いをすることもあるだろう。でも嫌なことばかりじゃないと思う。大切な出会いや素晴らしい出来事はきっとある。辛いことはいくらでもあるだろう。おじさんだって辛いことばっかりだよ。でも素敵なことだっていっぱい見つけられるんだよ。その子に話しかけるわけにはいきませんでしたが、そんなことを思いました。
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