2009年10月2日金曜日

「資本主義はなぜ自壊したのか」中谷厳

★★★☆☆☆:あざ笑う態度で読みたい

まあ何というか、速読にちょうどいい本でした。手際のよい小泉改革批判。難しいことは何もなく、意表をつく記述もなく、サクサクと読むことが出来ます。論旨は明解、言葉も平易。正直10分ほどで読み通しました。いわゆる速読の練習台です。まあ言ってみれば、その程度の本。

途中の日本文化礼賛あたりは恥ずかしくなるくらい浅はかな感じでしたね。一神教の欧米は自然を大切にしない、八百万の神の日本は自然を大切にするだとか。ああ何たる分かりやすさ。何たる浅はかさ。そんな簡単じゃねーだろ。日本人本当に自然を大切にしてますか。かつて酷い公害を撒き散らしたのはどこの国でしたっけ。何と都合のよい日本礼賛か。江戸時代万歳もまた然り。あのさ。専門外のことに頭突っ込むのはおよしになった方がよろしいんじゃありませんかね。

うーん、何だろう、このバカにした言い方。基本的にはまっとうな主張をしてるんですけどね。全般に浅はかなんですよ。浅はかで軽い。心情的には懺悔自体は評価してあげたいんですが、いかんせん軽い。読んでで思うのはお前の世界観軽すぎやしませんか、という疑問。

まあいいや。とにかく軽い、読みやすい。小泉改革の安直な総括としては実に手頃。速読の練習にお勧めの一冊でございます。

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