2010年7月4日日曜日

「差別と日本人」角川oneテーマ21

★★★★★☆:淡々と読みたい。

在日・部落ってのはかなりホットな話題なのだなあ、ということを、この本を読んで図書館に返却してしまった後、Webで「そういえば出版社ってどこだっけ?」と調べつつ、口コミを見て思いました。

まさに毀誉褒貶。というかむしろ貶してる方が舌鋒鋭い?とくに辛淑玉さんが攻撃されてる感じ。

Webってのは、どうも嫌韓、差別増長、何かにつけバッシングの風潮が強いようですな。というのが私の印象。穏健派は情報発信しない。

まあ、それはともかく。

個人的には、麻生太郎、石原慎太郎の鼻もちならなさが理解できた。

そういえば、前に務めたことのある会社の女傀儡社長が、部下、ヒラ社員のことを「下々のもの」と言っていたなあ、と。そんな人間はいくらでもいる。おのれの肩書、墓場まで持って行け。人間、思いあがると醜いもんだ。その醜さは、矮小さに由来する。

年収、地位という空しい尺度をもとに、私はあいつよりも偉い。優れていると思い込み、そこに安心を求めるほかはない矮小さ。年収300万の人間よりもおれは偉い。なぜならおれの年収310万。いやいや、私は500万。いやいや、私は1000万。いやいや私は5000万。いやいや私は1億円。食えればいいじゃないか。食えない人間にお布施する方が、よほど偉いぜ。

個人的には、野中さん、辛さん、お二人に人として共感しました。辛さんは確かに被差別よりに強烈にバイアスがかかっている。人によっては辟易するかもしれない。でも、彼女の経験を聞けば「さもありなん」とうなずくばかり。野中さんはすさまじい人生を送ってこられた。自民党でのし上がった事実からしても、むべあるかな、と感心する次第。

共感と想像力の欠けた非難はすぐにそれと分かる。そんな非難を、私は信用しない。

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