2011年12月23日金曜日

繰延税金資産2

じゃあ税務署がズルしてる仕組みかというと、そんなことはない。

翌期に前期計上した未払事業税をちゃんと払ったとして、同じ利益が出たとしてどうなるか。

■会計上の税額計算 → 2,000円
利益 6,500
未払事業税 △1,500
差引 5,000

×40%
税額 2,000

税引後利益 3,000
■税務上の税額計算
差引 5,000
前期事業税認容 +1,500 (実際にお金払ったのね。だったら損金として認めます)
未払事業税 △1,500 (でも未払事業税は認められないねー)
調整後 5,000

×40%
税額 2,000
当期は会計上の税と一致。でも今回も仕訳やります。

繰延税金資産 600/法人税等調整額 600

で、決算調整。

前期繰延税金資産を、法人税等調整額で消します。

期首TB
(借方)繰延税金資産 600

法人税等調整額 600/繰延税金資産 600

そして上記法人税等調整額が、当期計上の法人税等調整額を打ち消すワケ。

当期計上
繰延税金資産 600/法人税等調整額 600

法人税等調整額 600消し込み済みの繰延税金資産 600

すなわち法人税等調整額は0となり、当期繰延税金資産600は残る。

未払法人税否認と、前期損金の認容で辻褄が合うため、会計上の税額と税務上の税額はマッチ=法人税等調整額が0。でも、当期発生の1,500分の繰延税金資産600は残ってる、ということになる。

(続く)

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