2012年5月18日金曜日

仮想起業相談(2)

承前

「この人、ただのダメな人なんじゃない?」 かというと、全くそんなことはないのですな。

頭もキレる。仕事もできる。後輩からの人望も厚い(先輩、独立するなら声かけて下さい!)。それなりのオーラもある。

でも、それが勘違いしちゃうんだよなー。

どうやったら勘違いするか。

簡単なことですな。

都合のいい情報をどんどんインプットして、脳内でサクセスストーリーを作り上げる。自己啓発本を読み漁るのもGOOD。(これが実に楽しくて容易なんだ。大損して泣く人は、例外なくこれをやってることと思われる)

それからリスクの過小評価。ま、何とかなるさ。

嫌な情報が入りそうになったらすかさず耳に蓋。(普通に上司がやってることですな。気に入らない情報を呑みこんで、解釈して、世界観を修正するのって、実はかなりのエネルギーを使うし、柔軟な頭も必要なのだ)

「サラリーマンみたいな下らない仕事したって給料貰えるんだ。ちょっとマシなことやれば、金稼ぐくらい簡単だろう。贅沢は言わないさ。家族を食わせるくらいの収入があればいい。何とかなる」

まあ、ちょっと待てと。まず、ちゃんと現実を眺めなきゃねー。

出勤して仕事するだけで厚生年金が支払われ、給与所得控除適用後の給料が数十万~振り込まれる生活が、いかに恵まれているか。

これを捨てることに、どれほどのリスクがあるか。

ダメだったら、とりあえずバイトでもするさ。

二回りも下の学生・フリーターたちから軽蔑の視線を受けながら、いつまでアルバイトが続けられるだろう?

嫌になったらまたどこかの会社に就職するさ。

起業なんかせずに、今からそうしたら?

具体的な裏付け(多額のキャッシュ、コネ、絶好のチャンス)のない勘違い起業が「ま、何とかなるさ」という根拠も何もない楽観論で進んでしまうのですな。

少なくとも「半年以内に数十万の粗利がキャッシュで、継続的に入金される」という強いプランがないと、キツいよね。

とかとか思いますな。

世の中甘いもんじゃない。難しいよねー。

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