2009年5月8日金曜日

食育という言葉について考えてみた

最近食育という言葉をよく聞きます。ふーん。食育ね。食生活って大事だからね。結構なことだよね。くらいに思っていたんですが、ふと違和感。あれ?食育って言葉なんかおかしくないか?

「食育てる」?単語の組み立てとしてはそれに近いけれど言葉として変だな。「食べて育つ」?当たり前だし文脈的におかしい。「食育てる」?言葉としてはマシだけどそれでは「食育」という単語にはならない。Webで正解を調べてみるとどうやら「(国民の)食育てる」あたりが正解のようですね。ってもう少し調べてみるとWikipediaに歴史的な解説が。さすがWikipedia。マクロビオティックとも関係があるのかな。まあいずれにせよ国民が賜る方の言葉のようです。

「食育」にまつわる意味作用を乱暴にまとめると、国民の食に対する意識を高めることにより、食料自給率を高め、安全な食品を育て、みなで健康になろう、といったところでしょうか。

うーん。ダメじゃないかな。目的は結構。でも食に対する意識といってもいろいろだしなあ。食品の安全性と価格はトレードオフだし、個人の好み(重み付け)だし。

「好み」って言葉で一括りにするってのもなんだけど、1日2食を牛丼かコンビニメシ、たまに野菜ジュースでOKって人がいてもおかしくないし、大体サプリメントってどういう扱いなのよ。あれって人によっては有効だと思うな。サプリも健康志向の食育つーことでOK?かくいう私も亜鉛とか取りにくいミネラルは気分次第でサプリを食べてプラシーボ効果に浸っているので揶揄しているわけではない。

トランス脂肪酸を避けるかどうかもセンスの問題だし、近海産の魚を避けるかどうか(汚染の回避)も人によって判断が分かれるところでしょう。さらに細分化すればビーガンってどうよってところにも波及しそう。マクロビオティックも結構極端だしなあ。

要するに食についてはあまりにも価値観が多様なわけです。それを十把一絡げに「国民の食に対する意識を高める」か。センスない目標だよなー。官僚バッシングは間違ってると私は常々思ってるんですが、税金使ってこんなことやってんのか。公務員って。どうよ?上の決定には反対できんのか。あなた方の成果ってなんなのさ。あ、言い過ぎたゴメン。私もサラリーマンだから少しは分かるよ。「ムダなことを効率よく行うほどムダなことはない」。ドラッカーはうまいことをいう。

大体ターゲットが「国民」になってるのもおかしいと思うな。国民って誰だよ。官僚と大臣以外が国民か。当たってそうでイヤだな。まあいいや。子供か親か。独り身か。若い独身男が食べ物を気にするか?たまにほうれん草のおひたし食べればOKでしょ?野菜ジュース飲んでます。以上。健康に自信もあるしね。子供には難しすぎて分からないだろうしな。となると親だよな。親が子供に食べさせる食事。ターゲットはここしかないでしょうが。それをなぜ出せないか。なんで「国民」という抽象概念で逃げるか。

親が子供に食べさせる食事という図式が出るや否や「母」というキーワードが出るからだろうな。つまり「子供にちゃんとしたもの食べさせてるのか。お母さんたちよ」というメッセージがすぐに浮かんでくるわけで、そりゃあマスコミ野党入れ食いでしょうな。女性差別だとか家事に縛り付けるのかとか。ほんとどっちもどっちだな。父親が料理する家庭だってそこそこあるだろうに。母だろうが父だろうが祖父母だろうが関係ないのよ。ちゃんと子供にまっとうなものを食べさせてるのか。そこでしょうが。

自分の愛する家族に、国産の旬のものを、伝統的な調理方法で、おいしく料理して食べてもらう。自分の食事なんかどうでもいいんですよ。何が「国民の食に対する意識の向上」だよ。血みどろになって魚を捌いて、むせ返るような血の匂い嗅いで、後の掃除に苦労して、その様子を子供に見せたらいい(ベジタリアンじゃなければね)。食べるってのはキレイゴトじゃない。でも食材をおいしく調理して食べる先人の知恵ってのはすごい。命をもらって、昔の人の知恵にあやかって、おいしいものを食べられる。食べるってのはありがたいことなんだよ、とわけの分かってない子供に繰り返し食べさせて実感してもらうしかないんじゃないか。親が子供に、おいしく食べて欲しいと旬の食材を使った料理を食べさせる、その行為の重要性を訴えなければいかんのじゃないですかね。やれやれ。

もちろんたまにインスタントラーメンでもいいと思いますよ。ご飯作るのって大変だからね。手抜きも重要。子供もインスタント食品は喜ぶしね。あはは。そんなんでいいんじゃないかな。
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