2009年6月7日日曜日

西原理恵子さんと金について

念のため「この世で一番大事なカネの話」はいずれ読むつもりですがまだ読んでません。

この人も金金言ってるんですけど、ホリエモンやらヘイゾウやらが金が大事などとうそぶくのと違って、全くイヤらしく聞こえない。

なんでだろうと考えてみました。

普段私は「金金言ってんじゃねーよ」と言うわけですけど、それもキレイ事だよな、という反省も薄々あって、言ってても少し居心地が悪いんです。だから西原さんが金がないと売春婦の子は売春するし泥棒の子は泥棒になる。堕ちるところまで落ちるんだ。金は大事だというようなことをズバリと言っているのはもう「これだぜ」という気がする。ええとなんか矛盾してるかな。つまり人としてギリギリの矜持を保つことができるレベルの金を持っていないと、それはそれでヤバい、やはり最低限の金は必要だよ、そういう冷徹な事実を確認させてくれる。

あとは、思うにエリートっぽい人たちが時流に乗って小手先で金を稼ぐ(ホリエモンやら外資系証券会社に勤める人は小手先じゃねーと言うでしょうけど)のと重みが違うからだと思います。この人の本業はマンガ描きですし、いろいろハードな取材もしている。つまり体を張って仕事をしてお金を稼いでいるわけです。こういう人に金は大事だと言われると、ははあ。そのとおりですね。と素直に同意するしかない。ゼロサムゲームのギャンブル資本主義で儲けたり損したりしている人に金が大事だと言われると鼻で笑ってしまうけれど。

あくまで印象ですが、この人にはスキあらば堕ちて行くかもしれないという恐怖があるような気がします。その恐怖への反動で金金言っているんじゃないか。

高所恐怖症の人が自らのうちに潜む落下への欲望にめまいと恐怖を覚えるように、彼女も堕ちることにめまいと恐怖を感じている、そんな気がします。堕ちるかもしれない、その可能性がなければ、堕ちることを恐れる必要はありませんから。

ギャンブルやらFXなどで金をどんどんスっているのも、あるいはひそかに自分に潜む堕落への欲望を、金を失うときのめまいによって埋め合わせているのかもしれません。

以上。
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