2009年10月6日火曜日

速読術とは

最近速読術ってあまり聞かないですね。そもそも本が読まれない時代になったからかな。

学生時代、友人が「俺は本を読むのが遅いから研究がはかどらないのだ」と、バイトで稼いだ大枚叩いて速読術講座を受けたものの、その講師にあえなく「学術書とか研究論文は速読には向きません」と言われてしまった、と話してました。むべなるかな、という気がします。

私も一応遅いながらも速読チックなことができるんですけど、速読で読める本っつーのは軽い本なんですね。もっとはっきりいうと、下らない浅はかな本。ページをめくるそばからあーはいはい、わかりましたよー。はーい、それではー、みたいな読み方ができる本。だから速読可能な本てのははっきりいってロクなもんじゃない。

速読の方法でまことしやかに言われるのが、一行一行読んで理解するのではなく、写真のようにページをありのままに写して把握するのである、というものがあります。そういう特殊能力が存在することは否定しませんが、おそらくはサヴァン症候群のような先天的なものであって、訓練で身につくとは思えません。

私の実践によれば、速読術なんてのは、ただの拾い読みです。キャプションっていうんですかね。小見出しと章の最後の結論を読むだけ。慣れて来ると途中の文字列をざっと流し読みしたり。数字が出てくるところはどうせ自身の主張を補強してるだけだから無視。そんな読み方ですよ。

まあ、好意的に言っても集中力を使って一気に斜め読みする程度のものです。だからまあとにかく読んだよ、と主張するには使えるけれど速読では身につかない。だから、速読なんてあまり価値がないんですよね、というのが今回の結論です。

0 件のコメント: